猫の腎不全 -新たな腎機能検査:シスタチンC-

前回のブログのつづきです。

 

最近では、腎臓機能の低下を早期に把握できる新たな血液検査法が始まっています。

 

それは血液中の「シスタチンC」を測定する方法です。


シスタチンCとは、細胞や組織を守るタンパク分解酵素阻害物質の一つで、外的要因(食事や炎症など)の影響を受けず、年齢等に関わらず常に一定量が体内で作られている蛋白です。


シスタチンCは分子量も13kD(キロダルトン)と大変小さい物質で、糸球体を自由に行き来できるため、糸球体ろ過量の指標として臨床検査に利用されています。


しかも、クレアチニンに比べ、シスタチンCは腎機能低下をより早期に把握できる優れものなのです。


例えば、チンパンジーではヒトのデータと類似しており、腎機能低下の早期発見に期待されていますし、ワンちゃんにおいても外部検査機関が測定を開始しています。


ところが需要が高いと思われる猫においては、現在研究段階です。


猫の特異的な抗体を用いたELISAキットは販売されていますが、1キット30万円ほどします。


ELISAとは、ウィキペディアの言葉を用いると酵素結合免疫吸着法と訳されていますが、そのような言葉を使う研究者はいません。一般には「エライザ」と呼ばれています。


動物園に勤務していたころは、病気診断のため、ウサギを用いて抗体を作成し、様々な疾病診断用にELISAを自作していました。


猫のシスタチンC測定は、技術的には測定可能ですが、費用や時間的な問題で当院にて測定を請け負うことはできません。(*測定にはマイクロプレートリーダーが必要で、測定するには検体を大学まで持参して検査を行う流れになります。)


近い将来、猫でも外部検査機関が測定を請け負うようになると思われます。その時は、血漿クレアチニンに代わって、血漿シスタチンCが腎機能検査に用いられることでしょう。



 

 

余談ですが、明日は高知大学の卒業式です。


私が所属する研究室でも、私と一緒に研究を頑張ってくれた学生が卒業するので、午後の診察が終わり次第、追いコンに参加します。


飲み過ぎないように注意しないと(^^;)


臨床より研究が好きな獣医でした。


 

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コメント: 1
  • #1

    ジャスミン (火曜日, 28 4月 2015 12:12)

    お誕生日おめでとうございます-☆

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