サプリメントのビタミンE(α-トコフェロール)は効果が低い?

今回は、旬な話題ではなく、少し堅苦しい話ですが・・・・・(^^;)

 

 

時々耳にする下記の発言


「ワンちゃんにはドックフード以外食べさせてはいけません。」

 

変に誤解を招く発言はひかえていただきたいと強く思います。

 

療法食では良くならない慢性の皮膚炎を患ったワンちゃんの中で、当院が勧める手作り食を実践されて皮膚炎が改善したワンちゃんもいます。

 

手作り食やドックフード、共にうまく活用していただきたいと思うばかりです。

 

加工や合成された栄養素より天然の栄養素というテーマでビタミンEを取り上げてみました。

 

(*効果が高い(⇔低い)、効果が大きい(⇔小さい)、どちらが正しいの?日本語の難しさを実感)

 

 

 

ビタミンの中で、いまだによく分からないのがビタミンEです。

 

ビタミンEには、様々な種類があります。

 

トコフェロール(α、β、γ、δの4種類)やトコトリエノール(α、β、δ、γの4種類)など。

 

その中で最も活性が高いとされているのが、α(アルファ)-トコフェロールで、医薬品やサプリメントでビタミンEといえば、このα-トコフェロールになります。

 

ビタミンEの効能に、抗酸化作用や悪玉コレステロールの抑制作用などがありますが、最近の研究報告では、αートコフェロールには悪玉コレステロールを抑制する作用はほとんど無く、実はδ-トコトリエノールに悪玉コレステロールを抑制する効果があると報告されました。

 

ビタミンEの論文を見ても、医薬品やサプリメントで使われているαートコフェロールの効果をみているというより、ビタミンEミックスの効果をみている報告も多く、これまでのビタミンE(α-トコフェロール)の効能に疑問符が付き始めています。

 

ビタミンEの効果は、すべての種類がそろってこそ、その有効性が発揮されると考えられ始めています。

 

そのため、当院で使用しているビタミンEのサプリメントは、「小麦胚芽油」です。

 

ビタミンEは単体ではなく、複合体で摂取すべき栄養素なのです。

 

 

でも、実は私たちの食生活では、ビタミンEを複合体で摂取しています。

 

調理に使われている食用油にはビタミンE複合体が豊富に含まれているからです。

 

摂取されていないのは、ドックフードやキャットフードしか与えられていないワンちゃんネコちゃんです。

 

ドライフードに添加させているビタミンEは、主にαートコフェロールだからです。

 

 

また、手作り食を与えているオーナーさんの中には、食用油の使用を嫌う方もいらっしゃいますが、ビタミンEが豊富なので適度な使用をお勧めします。

 

 

 

 

余談ですが・・・・・

 

犬や猫などの小動物以外に、大動物(牛や馬など)を診療している獣医さんには馴染みのある注射薬に「イーエスイー」という薬があります。

 

注射薬の成分は、α-トコフェロール(ビタミンE)とセレンで、白筋症という病気予防に使います。

 

イーエスイーというのは、ビタミンEの「イー」とSe(セレン)の「エス・イー」を組み合わせたもの。

 

単純な命名ですが、分かりやすいので、素晴らし商品名だと評価しています。

 

白筋症は幼い草食動物で発症しやすく、原因はビタミンEやセレンの欠乏とされています。

 

私の経験では、白筋症を発症した動物に投与しても治癒率が低く、予防薬として使用すると効果は高かったと実感しています。

 

発症時に投与しても治癒率が低かった要因に、ビタミンE単体だからではないかと考えることがあります。

 

ビタミンE複合体なら治癒率が上がったのではないかと。

 

 

臨床獣医のたわごとでした(^^;)

 

 

 


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