看護師に負担を強いらせる帝王切開

先日、帝王切開にて胎児3頭が無事に生まれました。

 

珍しい犬種でしたが、新生児の顔は皆同じに見えます。

 

元気に泣く赤ちゃんの様子をみると緊張感から解放されます。

 

帝王切開は獣医師にとって精神的に良くない手術です。

 

動物病院で帝王切開を行う場合、全身麻酔によって手術を行う先生が多いと思われます。

 

ヒトの場合は脊髄くも膜下麻酔(局所麻酔の一つ)で行われているので、胎児が麻酔状態になるスリーピング ベイビーにさせないようにできるのでしょうが、動物の場合、全身麻酔なので胎児が麻酔状態となるリスクが出てきます。

 

胎児が麻酔様態だと子宮から取り出しても呼吸が始まらず、死亡するリスクが出てきます。

 

一度だけ、動物に脊髄麻酔で帝王切開を行ったことがあるのですが、動物は眠っていないため手術台にてパニックになってしまい、結局麻酔ガスを嗅がせて眠らせざるをえなっかた経験があり、それ以来、帝王切開は全身麻酔で行っています。

 

動物病院で行う帝王切開は、看護師とのチーム医療になります。

 

獣医師は子宮から胎児を取り出すと、蘇生は看護師に託し、次の胎児の取り出しに入ります。

 

出来うる限り胎児全頭を素早く取り出すことが蘇生率を上げると思うからです。

 

そのため胎児の蘇生を看護師に託すようなかたちになってしまうので、看護師にも精神的負担をかけてしまいます。

 

とは言え、実際は子宮を切開して胎児を取り出しても、すぐに胎盤を取り除けないので、次の胎児の取り出しに入れません。すぐに子宮から胎盤を剥がすと大出血することがあるのです。

 

胎盤を取り除くまでの間に胎児に呼吸をうながし、状態を見極めて臍帯を切り離して、その後のケアを看護師に託していたのですが、最近は呼吸を促す作業も含め、すべて看護師に託しています(^^;)。

 

動物病院で行う帝王切開はリスクの伴う外科手術です。

 

ワンちゃんの出産は難産になることや帝王切開を余儀なくされることもあります。

 

安易な気持ちで妊娠させることは控えてほしいと願うばかりです。

 

 

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コメント: 1
  • #1

    伊藤佳代 (日曜日, 26 1月 2020 21:32)

    動物病院に働いているものです。先日、帝王切開のお手伝いをしました。手術をしたワンチャンはタイニープードルまだ1歳6ヶ月でした。 1歳8ヶ月頃はまだ成長期と聞いています。その飼い主さんは繁殖さんが言った通りに行動する飼い主様です。ワンちゃんも2キロちょっとしかありませんでした。明らかに繁殖させるには小さいと私も感じておりました。嫌な予感は的中しました。繁殖さんはその小さな体に種付けをしました。妊娠後犬は日に日に痩せていきました。目が凹み背骨も見えていました。それでも何とか赤ちゃんは無事に育っていき、 61日目緑のものが出てきたと言うことで電話がかかってきました。おうちへお迎えに行きました。破水をしているようなので、病院でエコーを取り赤ちゃんの心拍を確認いたした。レントゲンを撮り子宮口と赤ちゃんの頭も測ることにしました。子宮口は約3センチ、赤ちゃんの頭は1.8センチでした。帝王切開は小さなワンチャンにとっては負担になると思い自然分娩を待つことにしました。先生が触診をしたところ人差し指の付け根の所まで入れると赤ちゃんの頭を確認することができました。何とか下から出せないかと努力もしてみました。陣痛の痛みが来ても全くいきむことなく時間だけが過ぎていきました。もう一度エコーを取ると赤ちゃんがしっかり生きていることが確認できました。帝王切開に切り替えることになりましたが、 1番心配だったのは母体が痩せすぎている事と小さい事でした。帝王切開は順調に進んでいきました。子宮が出て先生が赤ちゃんを取り上げて私に渡しました。出血はしていました。すぐに蘇生開始。
    人工呼吸をしながら体のマッサージ約25分ほどで産声をあげました。呼吸が安定していなかったのでマッサージを続けて体を温めました。鳴き声もしっかりし呼吸も安定してきました。お母さんの処置も無事終わり初乳を飲ませるために赤ちゃんとお母さんを一緒にし赤ちゃんがお乳に吸い付きました。
    お母さん犬には抗生物質の注射、痛み止めの注射、点滴などを行いヒーターで温めたりしました。 3時間ほど時間が過ぎお母さん犬の容体が急変しました。少し頭を揺らし始めたかと思うと瞳孔が開き先生がいろいろな処置を施しました。私は獣医師ではないので内容はよくわかりませんでしたが先生が必死で戦っていることがわかりました。呼吸がおかしくなり停止してしまいました。赤ちゃんが残されてしまったので飼い主様に赤ちゃんの面倒を委ねられました。それから四日間保育器がなかったので私は胸元で赤ちゃんを四日間温め続けました。ほとんど寝ずに2時間おきの授乳、排尿排泄。赤ちゃんはとても生命力が強く自力でミルクをゴクゴクと飲んでいました。飼い主様は4日後赤ちゃんを引き取りに来ました。生まれた時よりも一回り大きくなりました。その後種付けをしたブリーダーさんのところに向かいました。赤ちゃんにチューブを入れ保育器の中に入れたそうです。帝王切開でお母さん犬が死んだ事で先生を責め立て。その上四日間子犬を育てた私に対してもこんな人に預けてたら子犬まで殺されてしまうと繁殖さんに言われたそうです。ブリーダーさんに何か言われる前は私たちにたくさんお礼を言っていた飼い主様でした。飼い主様がワンチャンを妊娠させたいと言う話をお伺いしたときにこちら側としては体が小さいワンチャンなのでやめといたほうがいいと注意はしておきました。手術のほうもよその病院でやってほしいとお願いしたところどうしてもこちらでやっていただきたいと言う強い希望でした。手術前にリスクはあると言う説明もいたしました。こういう事はどこの動物病院でもあるのではないかと私は思います。こちら側の言うことを全く効かない飼い主様は全てブリーダーさんの言う通りに行動しております。保育器に入れるのは正しい選択だと思いますが赤ちゃんを基本的に冷やさなければ赤ちゃんは生きていくこともできます。四日間体重を増やしたにもかかわらず小さくされたと言いました。自力で飲める子になぜチューブを入れる必要があるのでしょうか。ブリーダーさんは自分の責任を全てこちらの病院に押し付けているだけではないかと私は思っています。これからもこんな辛いことがあっても私はこの仕事を続けようと思っています。

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