本日、バンドウイルカの彩羽(イロハ:♀)が息を引き取りました。
担当飼育員が傍らで看病している最中に心肺停止となり死亡しました。
今日は休診日でしたが、死亡の連絡を受け、午後から水族館で病理解剖。体重200kgの動物相手なので、全身汗まみれ。もう若くない身体が悲鳴を上げてしまいました。
死亡の連絡を受けるとすぐに高知県中央家畜保健所に病理解剖の手助けを依頼してみましたが、ご丁寧に断られてしまいました。保健所も大変忙しいところなので無理もない回答。決して恨みませんが・・・(^^;)
動物が死亡すると病理解剖するのは、海獣を診る獣医師の仕事。断るわけにはいきません。
これまで桂浜水族館で亡くなった数多くの動物たちの病理解剖を行ってきましたが、すべてボランティア。
飼育員たちの教育になればとの思いで続けているのですが、教育してきた飼育員を経営者の都合で解雇されてしまうと私の行為はなんだったのかと憤りを感じてしまいます。今後は・・・。
イルカの彩羽が体調を崩し始めたのは夏の終わり頃。
検査や治療を行うが、原因が分からず、体調も安定しない日々が続きました。
そこで、香川県にある日本ドルフィンセンターの獣医さんに診察を依頼し、検査や治療をお願いしたのですが、やはり原因がつかめず、体調も改善しない状況が続いていました。
今度は、山口県下関市にある海響館の獣医さんにアドバイザーになってもらい、今日まで治療を続けていたという経緯です。
桂浜水族館でイルカの治療に3人の獣医が関わって治療をしたのは異例のことで、来月水族館を去るベテラン飼育員のイルカを助けたいという熱意があったからなせたことだと思います。
ご尽力いただいた先生方には大変感謝いたします。
そして、彩羽ちゃんのご冥福をお祈り申し上げます。
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