ブログを再開したとたん、泊まり込みの治療が続き、ブログを更新するのもなかなか大変です。
約1週間、3時間の睡眠時間でも、まだ何とか仕事ができる体力があるようで、少し安堵しました。
大学生の頃、空手が中心となる生活だったことが幸いしているのかなあ。
国体強化指定選手に選ばれた当時のことは、今では懐かしい思い出です。
前回に引き続き、今回も風邪薬について記載します。
ペットショップの子犬ちゃん達の診察をしていると、一番多い症状は咳と鼻汁です。
何かしらの症状が出ていると、子犬たちはいつまでも新しい家庭に迎えられないので、最善の治療を心掛けているところです。
呼吸器系の薬で身近な薬剤は、私たちがドラッグストアで購入する風邪薬でしょう。
一般的な風邪薬は複合薬で、鎮咳薬(咳止め)や去痰薬(痰きり?)などが含まれます。
●鎮咳薬
「先生、咳を止めてください」とお願いされることは多いのですが、「はい、わかりました」と言えない状況があります。
咳はむやみに止めると、かえって症状を悪化させることがあります。
通常は咳の原因となる疾患の治療を優先するということになるので、ペットショップの子犬さんの場合でも鎮咳薬を処方する機会は少ないです。
鎮咳薬にも数多くの種類があるのですが、一般に鎮咳薬のビック2と言えば、
「リン酸コデイン(コデインリン酸塩)」と「デキストロメトルファン」だと思います。
リン酸コデインは、いわゆる麻薬に属します。そのため、使用にあったて何かと手続きや報告が必要で、なかなか使用しづらい薬です。
また、デキストロメトルファンは、咳のひどいワンちゃんに投薬しても効いたと実感できたことは無く、結局のところ、使える薬が無いのが現状です。
●去痰薬
難しい薬名ですが、要は痰がでて呼吸が苦しくなるのを改善する薬のことです。
ところが、一概に去痰薬といっても、こちらも数多くの種類があります。
当院でも、痰の性状(咳き込みの仕方)によって薬を使い分けています。
当院で使用している去痰薬は、
「アンブロキソール塩酸塩」「ブロムヘキシン塩酸塩」「カルボシステイン」「アセチルシステイン」です。
ただし、吸入薬を除くと、経口薬では効き方に切れ味が悪く、治療が長引くことも少なくありません。
切れ味のいい(効果の高い)薬の登場を願うばかりです。
余談ですが、一見、呼吸器系症状と思われる咳き込みや呼吸困難の症状で見落としができない病気が「肺高血圧症」です。
私が大学生だったころ、日本人が画期的な発見を行いました。それは血管内皮細胞から分泌される「エンドセリン」という物質です。
この物質の拮抗薬が肺高血圧症の治療薬なのですが、薬価が高いので使ったことがありません。
「バイアグラ」という薬名は多くの方が知っているのではないでしょうか。
この薬は、もともと肺高血圧症の薬で、循環器系薬剤としても効果の高い薬です。
当院は裕福な病院ではないので、効果は高くても薬価が高いので常備できない薬です。
またまた、難しい話になってしまい、失礼しました(^^;)
コメントをお書きください
松永 (金曜日, 09 3月 2018 19:30)
突然のメール失礼します。
お尋ねしたいのですが、
我が家のミニチュアダックスフント(12歳)が夜寝る時に痰が絡んでいて辛そうで病院でブロムへキシン4mgを頂いたのですか最初の10日間は1日2回1回2Tでその後10日間1日2回1Tと言われたのですがネットなどで調べると量が多いのでは...と少し不安になってしまったので教えて頂けたらと思いメールさせて頂きました。
よろしくお願いします。
アミール動物病院 (金曜日, 09 3月 2018 20:26)
松永様
日本小動物獣医師会が推奨している投与量からすれば、多すぎることはないです。
去痰薬は効果に個体差が出やすいので、多くの動物病院では経験値で投与量を調整していると思います。
松永 (金曜日, 09 3月 2018 20:50)
ありがとうございました。
少し心配だったのですが安心しました。
すぐにお返事頂きありがとうございました。
松永 (月曜日, 12 3月 2018 07:25)
おはようございます。
度々失礼します。
去痰薬の効果についてなのですが、もちろん個体差はあるかと思うのですがどれくらいから現れるものなのでしょうか?ブロムへキシン4mgを1回2錠金曜日の夜から飲ませ始めているのですが一向に効果を感じられないので...
人間の場合一時的に痰の量が増える事があるとネットにあったのですが犬の場合も同じですか?
アミール動物病院 (木曜日, 15 3月 2018 23:17)
松永様
治療に関しては主治医の先生と相談してください。診察をしていない私がコメントすることはできません。ご了承ください。
去痰薬というのは、薬の種類によって効能が違います。それゆえ症状によって薬を使い分けるのです。
内服されているブロムヘキシンは「気道分泌促進薬」に分類されます。粘液溶解作用も一部持ち合わせていますが、一般的には気道分泌促進薬に分類される薬です。そのため一時的に痰の量が増えることも考えられます。
愛犬の看病、大変と存じますが、お大事になさってください。
恵比寿 (水曜日, 25 4月 2018 19:14)
デキストロメトロファンてワンちゃんの咳にもきくのですか
アミール動物病院 (水曜日, 25 4月 2018 19:31)
恵比寿 様
当院では使用していないので、効果の有無は何とも言えません。
使用感としては、上記のデキストロメトルファンのところで記載したとおりです。
彦坂 (日曜日, 09 9月 2018 09:58)
はじめまして。
コメント失礼致します。
愛犬ヨーキー12歳
僧帽弁閉鎖不全症で治療中です。
重度の気管虚脱もあります。
まだ、胸水は溜まっておりませんが、咳が酷く、なんとか楽にしてあげたいのですが、コデインリン酸塩は、犬に使えますでしょうか?
また、このような病状で使って大丈夫でしょうか。
可能なら 何mgを考えれば良いでしょうか。
現在
ニトロール ラシックス フォルテコールプラス
テオフルマート フスコデ
ブトルファノール
カルボシステイン デキサメサゾン
を 処方されていますが、高額なため、ラシックス と フォルテコールプラスは、個人輸入にて調達しております。
恥ずかしい話ですが、処方薬を処方通りに買えない状況なので、コデインリン酸塩は、手元にあるため、少しでも咳を止めてあげられるのなら 使えたらと思っております。
面倒なお話で申し訳ありません。
ご教示頂けると幸いです。
よろしくお願い致します。
アミール動物病院 (月曜日, 10 9月 2018 19:23)
彦坂 様
問い合わせの件ですが、コデインは犬にも使用します。
一般的には、体重1kgあたり1mgから始めます(1回量)。それを1日2回か3回投与を行います。
当院では体重1kgあたり3mgを上限にしています。
ご参考まで。
彦坂 (火曜日, 11 9月 2018 10:54)
ご返信ありがとうございます。
気をつけて試してみます。
渡辺 (金曜日, 10 5月 2019 00:06)
はじめまして。
いきなりのコメント失礼します。
12歳チワワの事なのですが、気管虚脱で咳が気になるため一ヶ月前からテオフィリン、カルボシステイン服用中です。
薬のおかげか咳は減りました。
しかし服用して半月程から、おもちゃで遊びたがる事がなくなりました。少し元気もないようです。それまでは咳が出ようが何度でも遊びを催促してきてた子です。
カルボシステインの副作用とかあり得ますか?
目付き顔付きは良いです。
食欲もすごくあります。
食べ物が絡むと凄まじく元気に動き回ります。
散歩も足取りが重いが、他の犬達に会うとすごく元気になります。
心臓が破裂寸前と言われてた時でさえも、散歩好き、遊びたがってた子です。ちなみに僧帽弁閉鎖不全は、三年前に手術し以来投薬いらない状態です。
よろしくお願いいたします。
アミール動物病院 (月曜日, 13 5月 2019 22:00)
渡辺 様
カルボシステインは、気道の分泌細胞(杯細胞)の過形成を抑制して、粘液が過剰に産生されるのを抑えることで、去痰作用を発揮する薬剤です。人での副作用の報告は1%未満と安全性の高い薬です。当院でも幼犬や老犬に処方しますが薬の副作用を疑う事例は経験ありません。カルボシステインに関しては、安心して服用させてよい薬であるとの認識です。処方としては喀痰の量が多い症例に使用しています。
松原 (金曜日, 14 6月 2019 20:17)
ご相談します。ムコダイン とムコサルバルタンの併用は問題がありますか。それぞれの効能の違いを教えてください。
サザエ (日曜日, 28 7月 2019 22:12)
突然失礼致します。
藁をも掴む思いでこの記事にたどり着きました。
うちの犬が、気管虚脱とのことで、気管拡張剤を長らく飲んでおりますがそれでもここのところ苦しそうで、主治医に相談したところ、「スタドール」という鎮咳剤を処方され(シロップ状)、与えたところ、ぐったりしてしまいました。救急で違う病院に診てもらい、今は経過観察中です。(与えてから3時間ほどです)
犬 気管虚脱 鎮咳 スタドール で検索しても、何も情報が出てきません。
あまり一般的ではない薬なのでしょうか?
情報を与えて頂けると嬉しいです。
アミール動物病院 (月曜日, 29 7月 2019 21:41)
サザエ 様
気管虚脱は飲み薬でケアするのが難しい疾患です。看護、頑張ってください。
気管虚脱では気道内に分泌物が増えることがあります。その時に鎮咳剤を投与すると分泌物が吐き出せず窒息の危険性があるので要注意です。診察していないので、これ以上のことは言えませんが。
スタドール?、何でしょう?分かりかねます。
こちらのサイトに質問するよりは、信頼のおける掛かり付けの獣医に伺うほうがいいのではないでしょうか。
薬の成分を伺えば、どのような作用・副作用があるか、サザエさんでも簡単に調べることができますよ。
ぴー (月曜日, 04 11月 2019 15:01)
突然のコメントを失礼致します。
ペットの誤飲がありあわてて調べておりましたところ
こちらにたどり着きました。
外出中に、飼い主が服用している薬(カルボシステイン250㎎)のシートを犬がいたずらで噛んでしまいました。
おそらく2~3錠は食べてしまったかもしれません。
今のところ体調に変化はありませんが、何か処置をした方が良いのでしょうか。対処法がありましたら御教授下さいm(__)m�
生後6ヶ月2kgのマルプー♂ です。
宜しくお願い致します。
みよみよ (水曜日, 20 11月 2019 20:50)
突然のコメントすみません。
7歳のチワワミックスですが、昨日、気管虚脱の症状が酷くなったんで、病院に行きましたが、その時に咳止めと炎症止めの注射を打たれました。
その後少しずつ落ち着いたんですが、興奮したり、食事の時に気管虚脱の症状がでます。
1日朝夕でスタドールと言う液体を5滴服用する様にと言われ、今日の朝から飲ませてますが、暫くしてボーっとして来ました。昼間はたいたい寝てることが多いので気にはしてなかったんですが、夕飯後にまた5滴服用させたらまたボーっとして、ぐったり寝てます。
このまま服用させていいのか分からずコメントした次第です。大丈夫でしょうか?どうか教えて下さい。
アミール動物病院 (木曜日, 21 11月 2019 22:00)
みよみよ 様
気管虚脱を患われているとのこと、治療、頑張ってください。
まず、服用の相談ですが、私ではなく、主治医に相談する内容です。症状を丁寧に説明し、今後の服薬をどうしていくか、主治医に判断を仰いでみてはいかがでしょうか。
スタドール、以前も質問されたのですが、ブトルファノールという薬のようですね。以前の質問ではスタドール?としてしまいましたが。
ブトルファノールは拮抗性鎮痛薬で、麻酔の前投薬によく使われる薬物です。鎮静作用のほかに鎮咳作用があり、咳止め薬として処方される先生は多いと思います。
個人的には鎮静作用のある薬は投薬量を細かく指示して処方します。作用や効能には個人差が出るので、鎮静が強く発現した時は調整できるように。これは細かいところを気にする獣医師の性格かもしれませんが。
もう主治医の先生に相談された後かもしれませんが、まだでしたら是非指示を仰いでください。
リュウママ (金曜日, 13 12月 2019 23:57)
14才のポメラニアンです。乾燥して寒くなると咳がよくでて苦しそうなので動物病院でベトルファールの液体を処方されましたが、咳は止まってもぐったり寝てしまいます。この液体は大丈夫でしょうか?
アズ (火曜日, 24 12月 2019 23:27)
7キロの柴犬が人間用のガルボシステイン錠250mgを2錠誤飲してしまいました。今のところ体調に変化はありません、そのまま様子をみても大丈夫でしょうか?もうしくは病院に行った方が良いのでしょうか?よろしくお願いします。
ぼじょ (土曜日, 04 4月 2020 07:55)
やっと先生に辿り着きました。10歳のシーズー(プードルとのmix)約半年前に僧帽弁閉鎖不全症が判明、もう10段階の7位迄進行している診断です。1度心不全も起こしましたが、入院加療で何とか助けて頂きました。強心剤・血圧の薬・利尿剤等で1か月2万7千円ほどかかります。外科手術は余りにも高額で無理でした。すると今年の1月から咳が大層酷くなり、時にはピーピーやキュウキュウ音がして最後にカ!と痰を吐く様な音を立てます。獣医さんでレントゲンを撮り気管虚脱でステージ2の疑いと言われ追加で1日2回咳止めベトルファールをシロップで内服中です。内服前よりは咳は減りましたが食欲が落ち水様便になり頻回にトイレを要求します。そんな折にWEBで気管軟骨への注射が効くとの記事を見つけ、かかりつけ医に尋ねた所、そもそもは気管虚脱の治療としてでは無く、足腰の関節などの強化の為の注射であり、それが何故気管虚脱に効果があるのかがはっきり分かっていないので、自分の医院ではやっていないと言われました。しかし効果が有るなら受けさせてみたいです。この治療法は心疾患がある我が家の愛犬では避けた方が良いですか?先生のご見解をお聞かせ頂ければ有難いです。
尚、webの記事中で使用している注射薬はカルトロフェン、気管支拡張剤はチルミン、サプリとしてアンチノールが載っていました。
アミール動物病院 (土曜日, 04 4月 2020 18:52)
ぼしょ様
カルトロフェンは、様々な持病を持つ犬に使用してきましたが、副作用を疑う症例には出会っていません。そのため、安全性の高い薬剤と認識しています。
カルトロフェンの気管虚脱への効能外使用に関して、数年前から見聞きしますが、現時点で明確なエビデンスは無く、当院でも使用症例が無いため、効果についてはコメントできません。ただ、カルトロフェンには軟骨形成の効能があるため、気管虚脱への有効性を期待したいところです。
めちょ (金曜日, 17 4月 2020 18:13)
先日から気管虚脱の咳がひどくなりネオフィリンとクロフェドリンS配合錠の粉薬を朝晩出してもらいました。用量を聞いても4錠入っているということしか教えれないと言われました。
上記の薬を朝晩内服する場合、一回の錠剤量の目安を教えていただけませんか?
アミール動物病院 (金曜日, 17 4月 2020 19:50)
めちょ 様
投与量は、健康状態や飲み合わせの薬によっても変わるので、用法は主治医の先生の指示に従ってください。
ネオフィリンは、100mg錠だと体重10kgの子で1回1錠を処方します。徐放錠だと倍まで増やすこともあります。
クロエフェドロンは、確固な目安はありませんが、当院ではコデインを指標にして処方するので、体重5~10kgくらいの子で、1回1錠で処方しています。
タマピン (金曜日, 24 7月 2020 04:28)
12歳のシーズーですが、気管支離脱と言われ1日二回ベラチン、そして咳が酷くなれば、ビソルボン5ml.*を飲ませていますが、寝ている以外はずっと咳しています。その薬は合っているのでしょうか?このまま飲ませ続けて良いのでしょうか?
タマピン (日曜日, 06 12月 2020 02:41)
先日から気管虚脱の症状がひどくなり1日2ccを4回までベトルファールを飲ませて1日二回テオフィリンと、ビソルボンを一包ずつ飲ませているのですが、散歩中や咳が酷くなった時に倒れて意識がなくなり呼吸もしてなかったので、慌ててマッサージして何とか意識を取り戻しました。これで3回目です。薬が合っているのでしょうか?酸欠で倒れたと思いますが。
タマピン (日曜日, 06 12月 2020 03:34)
先生方回答を宜しくお願いします
ビビ&ココ (土曜日, 26 12月 2020 13:31)
11歳のトイプードルで、気管狭窄との診断を受けました。
月に1度注射を打っております。
咳がひどくなった時に頓服でテオフィリンを服用しています。
現在体重が5.6㎏です。1回の服用量と、1日何回まで使用してよいのか教えていただきたいと思います。
宜しくお願い致します
アミール動物病院 (日曜日, 27 12月 2020 18:51)
ビビ&ココ様
テオフィリンは徐放剤なので、通常は1日2回の処方になると思います。
徐放剤とはゆっくりと体内へ吸収されることで薬の作用時間を長くする薬剤のことです。
服用量は処方されている容量で飲ませてください。
薬は匙加減と言われるように、その子の症状や年齢など体調に合わせて処方されていると思うので。
服用回数を増やしたい時は、主治医の先生に相談して、薬の変更をお願いしてはいかがでしょうか?
アミール動物病院 (日曜日, 27 12月 2020 19:02)
タマピン様
コメントに気付かず失礼しました。
気管虚脱の症例では、内科的な治療には限界があります。
当院での重症患者では、外科以外の対処では内服薬と吸入薬で治療を行っています。
Chichan (火曜日, 29 12月 2020 09:43)
抗生剤投与についての質問です。
17歳のミニチュアダックスです。
10歳あたりから乾いた咳と時に粘着性のある鼻汁が気になり、色々な獣医の先生にみていただき、検査をしたり相談にのっていただいていたのですが、なかなかスッキリしないまま過ごしてきました。
今年の夏、16歳10か月の時に肺炎になり、入院しました。急なことで、今までかかっていた病院にかかれず、初めての病院にお世話になりました。お陰様で5日間の入院で退院。その後は、暫く点滴と吸入に毎日通い、その後週3度→2度と頻度を減らしてきましたが、点滴を嫌がる本犬の姿が尋常でなかったため、先生と相談し、投薬と吸入に切り替えて頂きました。
ビクタス、ファモチジン、アモキクリア、ボミットバスター、ビブラマイシン、ビオイムバスターです。
咳、鼻汁も全くなくなり、症状も安定しているので、いつまでも抗生剤投薬は、どうなのか?と思い、2か月後、先生にご相談したところ、抗生剤の長期投薬はとくに問題ないといわれました。その後1か月がすぎ、3種類の抗生剤が減ることもなく、やはり対抗が気になり、抗生剤を減らしていただきたいと相談して、11月下旬にアモキクリアとボミットバスターを中止していただきました。そこから1週間咳、鼻汁の症状はなく、さらに受診ができず、薬が切れてしまった1週間、症状なく安定していたので、抗生剤投薬中止を希望したところ、高齢犬で誤嚥性肺炎が心配なのですべての抗生剤を止めるのはリスクがあるといわれ、ファモチジンとビクタスを12月中旬に中止していただき、ビブラマイシンとビオイムバスターの処方のみになりました。それから1週間、寝起き、寝付き前に乾いた咳が出始めました。
人間の場合、抗生剤を予防薬として投薬することはあまりないとおもうのですが、動物のばあいは、ずっと抗生剤投与は大丈夫なのでしょうか?
できたら、肺炎になるまでは抗生剤でなく、フスコデのような咳止めで対処してもらいたいと思うのですが、どうでしょうか?
いまは、人間で言う気管支喘息のような咳です。犬にアドエアのような吸入薬はありませんか?
長文でわかりにくいとは思いますが、先生のお考え頂きたいと思います。
よろしくお願いします。
アミール動物病院 (火曜日, 29 12月 2020 18:10)
Dear Chichan
飼い主さんも積極的に治療に関わっていく姿勢は素晴らしいと思います。色々な疑問点や不安な点など、主治医の先生に質問されたら良いと思います。
(こちらのホームページをご覧いただき、ありがとうございます。こちらのサイトは年明けに閉鎖します。新しいホームページに変わるので、ブログの記事もすべて閲覧できなくなります。)
抗生剤に長期投与の影響は、人も動物も同じと考えてください。動物が特殊ということはありません。
多剤併用や長期使用に関しては診察している先生の判断になり、私がコメントできることではありません。
アドエアに関してですが、吸入薬は自ら薬物を吸い込もうとしないと十分な効果は得られません。動物にそれを理解してもらうことは出来ないので、吸入治療はネブライジングが一般的ではないでしょうか。自作で動物用噴霧器が作れれば有効な治療法になるとは思います。
呼吸器疾患において咳止め治療は本来推奨されません。咳は身体が必要としている症状だからです。咳の原因を緩和する治療が優先されます。
では、よいお年をお迎えください。
Chichan (木曜日, 31 12月 2020 01:16)
年末のお忙しいなか、早速のご返信ありがとうございました。少しスッキリとした気持ちで高齢犬と新年を迎えることができそうで、感謝しています。
抗生剤投与に関して、動物も人も同じ考え方とお聞きして、多剤併用、長期使用について、もう一度かかりつけの先生にお願いしてみたいと思いますが、なかなか勇気がいることです。
前回、お願いして薬剤を減らしていただいた時、明らかに先生は、ご気分を害したようで、いつもやっていただくネブライジングも"咳がよくなったなら今日はやる必要ないよね"とバッサリ言われてしまいました。専門知識のない飼い主が、先生の治療方針に口を出されれば、ご気分悪くなることはわかりますが、自分が納得できずに治療をうけていくのも辛いです。
愚痴を聞いていていただくためのサイトではないと承知しておりますが、今後どのように主治医の先生にお話させていただけばいいのか悩みます。
先日、呼吸が苦しそうな時に使うように人間用のですが口元にあててなんとか噴霧出来そうなネブライザーを購入しました。しかしながら、薬液が入手出来ません。浄水で噴霧しても大丈夫でしょうか?効果はありますか?
こちらのサイトが閉鎖される前に、アドバイスいただけると有りがたいです。
年末年始、お休みのところ大変申し訳ありませんが、よろしくお願いします。
アミール動物病院 (木曜日, 31 12月 2020 13:28)
主治医の対応、同じ同業者として申し訳ありません。
私たちの職業もサービス業です。何か勘違いしている獣医師が多いのも実情で本当に申し訳ありません。
人も動物も医療で病気を治せるわけではありません。生物に備わっている自然治癒力が病気を治しているのです。私たちは自然治癒力が働きやすい環境作りをしているに過ぎないのです。生物の身体は食べているもので構成されています。今回の経験から食事にも興味を持っていただけると幸いです。
抗生剤の使用方法は原因菌を特定して、どの薬が有効かを調べた上で薬剤を選択するのが王道ですが、実際は原因菌を特定できないケースが多々あります。そこで多剤併用で薬を処方する症例は少なくありません。抗菌剤にも殺せる菌と殺せない菌があるので、幅広く菌を殺してもらうために多剤併用を行います。長期投与で問題になるのは耐性菌の発現です。ただ、今回のケースでは高齢犬ということもあり、主治医の先生が多剤併用を中止しづらい心情も理解できます。
呼吸器系であっても消化器系であっても外界と接しているのは粘膜という細胞です。ここが細菌やウイルのとの戦場になるのです。粘膜の環境を整えるために必要な栄養素は、ビタミンAとビタミンDです。当院が勧めているサプリメントは肝油です。また白血球の戦いをサポートするのに必要な栄養素がビタミンCとビタミンEです。以前はこれらのビタミンをあわせてビタミンACE(エース)と呼ばれていましたが、今はビタミンDが加わっています。ミネラルの話まで広げると長くなるので、ここまでにします。
呼吸器系粘膜に悪影響を与えるのが乾燥です。細胞は乾燥に弱いので、自宅では湿度に注意を払ってください。浄水でネブライジングするのは良い策だと思います。ただ環境の湿度もある程度維持しておいたほうがよいと思います。薬液に関しては、主治医の先生に処方してもらえないか相談してみてはいかがですか。
では、良い年をお迎えください。
Chichan (金曜日, 01 1月 2021 14:09)
明けましておめでとうございます
昨年は、駆け込みで大変お世話になりました
先生と出会えてとてもいい年になりました
年の瀬に、とてもご丁寧な返信ありがとうございました。
すごくわかりやすく、気持ちにゆとりをもってワンズに寄り添いながら残り犬生悔いなく過ごせるように高齢犬ダックス(17歳15歳12歳)のお世話ができそうです。
ネブライジングの薬液、主治医にお願いしてみましたが、処方は無理と言われてますが、浄水でいいとのことなので、ホットしました。咳が辛そうなときは、自宅でネブラいジングしてあげようと思います。
抗生剤の多剤併用、長期投与の件、主治医の
先生のご心情受けとりました。ありごとうごさいます。
食事管理でビタミンACDEを意識して摂取出来るようにするのが望ましいとの理解でよろしいでしょうか。手作り食もなかなか取り組む自信がないので、やはりサプリメント摂取が無難でしょうか。
現在は、モエギキャブ(アンチベートのジェネリック?)とハタ乳酸菌のサプリメントを常用しています。
腎臓の数値も少しひっかかり、フードは腎臓ケアのドライと缶詰めにして、ベナゼハートを一日2回服薬中です。
このような状況のなか、さらにビタミン剤服用は問題ないのでしょうか?
先生が高知にみえるのがもどかしいです。
出来ることなら、高知まで受診に伺いたい気持ちで一杯です。
年明け、ごゆっくりお過ごしのこととおもいます。
お時間できましたときにご返信いただければさいわいです。
よろしくお願いします。
アミール動物病院 (土曜日, 02 1月 2021 18:55)
Chichan 様
当院では投薬中でも症状に併せてビタミンやミネラルの摂取を推奨しています。
ドックフードでは、ビタミンACDEの含有量がまだまだ少ないとの認識です。少量でも十分機能できる個体と高容量でないと効果が発揮できない個体がいるように感じます。いわゆる個体差です。何かしら疾患を抱えている症例には投与を推奨しています。
ちなみに脂溶性ビタミン剤で当院が使用しているのは「ナチュラルピュアオイル」(北海道水産工業)です。こちらの企業の方の話を伺い、信頼できる品質として使用させていただいてます。ネットでも購入可能です。
Chichan (日曜日, 03 1月 2021 09:29)
年始ゆっくりされてみえるところ、早速のご返信ありがとうございました。本当に感謝です。
脂溶性ビタミン剤、ご紹介ありがとうございました。
早速試してみたいと思います。
先生のブログを拝読させていただき、手作り食、挑戦してみようかと思いました。
我が家は、17歳15歳12歳2歳?のミニチュアダックスがおりますが、下3頭は、あまり望ましい環境で育って来ていない保護犬です。2歳?のこは、ダップルダップルのようで、この先色々な発病の可能性が大きいと保護団体から言われています。これからの犬育て、
食でサポート出来るといいなぁと思います。
全くの無知識人が取り組むために参考に適した本とか資料はどこかで入手できるのでしょうか?
アミール動物病院 (金曜日, 15 1月 2021 23:23)
Chichan 様
質問を見落としてました。失礼しました。
手作り食を大雑把に紹介すると、お肉をベースにしてお野菜を加える単純なものです。
大事な点は、自然食材を給餌してほしいところです。
犬はレバーの嗜好性も良いので、ビタミンやミネラルの供給源としてメニューに加えてください。
私はレバーを食材としてよく使っています。愛犬ダックスとプードルに与えている比率は、肉5に対してレバー1くらいは与えています。
野菜を与える量は?とよく聞かれるのですが、便が綺麗な状態になるのを目安にしてもらっています。
野菜の栄養素としては繊維源として利用するイメージです。その程度で十分なんです。野菜が無いときはお肉に食物繊維のサプリメントをふりかけて与えています。このような食事であれば栄養不足を起こすようなことはありません。ちなみに加工食材や精製食材を使うと栄養不足を起こすことがあります。
あと穀物の給餌は推奨していません。その理由については、今後のホームページで紹介していきたいと考えています。
今でこそ、こんな雑な感じで栄養指導していますが、私が大学を卒業した時はガチガチの西洋医学かぶれしたビタミン・ミネラル芯棒者でした。十分なビタミンやミネラルを与えることが健康へのカギだと信じ込んでいました。
学生時代は、マグネシウム欠乏における循環器障害の研究に従事し、卒業後はビタミン学会や脂質栄養学会などに所属し、助成金をいただいて脂質栄養の研究も行いました。
結局のところ、大事なことは自然な食材を与えることが健康管理に欠かせないことということを動物園での11年の勤務経験から学ぶことができました。
最後に、動物に塩分はダメというのは間違いです。私たちが食べておいしいと感じるくらいの塩分は加えてください。動物たちは塩分を排泄する能力が高く、塩分を気にしないといけないのは私たち人間の方ですから。
新たなホームページでは食事に関して情報を発信していきますので、興味があれば訪問してみてください。
Chichan (土曜日, 16 1月 2021 00:52)
お忙しい中、とてもご丁寧にありがとうございます。
塩分摂取が悪くないというのはビックリです。
全くの素人で基本的な質問をいくつかさせていただきたいと思います。
①手作り食で、新鮮な生肉を使用するため人間よりいい肉をつかっている、という話をよく聞きますが、肉の種類は何が望ましいでしょうか?
②肉、野菜の調理法は、茹でる?煮る?生?
③塩味は、天然塩?醤油などでも大丈夫ですか?
④高齢犬2頭は、ベナゼハート服薬中ですが、高たんぱく質であるレバーを与えてもいいですか?レバーの種類は、何が望ましいでしょうか?
⑤与える量は、カロリー計算で算出ですか?体重に対してどのぐらいを与えたらいいのか、何か計算の仕方がありますか?
具体的にわからないことばかりで。もうしわけありません。
お時間あるときで構いません、ご指導よろしくお願いします。
新たなホームページ、是非訪問させていただきたいと思います。楽しみです。
以前ご紹介していただいた ナチュラルピュアオイル 早速取り入れています。15歳の食に拘り、食の細いガリガリっ子さんは、オイルをかけると全く口にしなくなります。
直接経口で無理にでも与えた方がいいのか悩みどころです。
アミール動物病院 (火曜日, 19 1月 2021 19:21)
Chichan 様
①当院では低価格の鶏肉を使用していますが、どの肉でも構わないと考えます。
②胃腸の丈夫な犬なら生肉でも大丈夫ですが、消化を楽にするには加熱した方がいいです。当院では蒸すか焼くかの調理法を選択しています。生肉で思い出しましたが、手作り食のパイオニアである獣医師の本村伸子先生がいらっしゃいました。本村先生は生食を推奨されています。数多くの書籍もありますが、入手できないかもしれません。
③塩は何でも大丈夫です。醤油も大丈夫です。お肉には血液と同じ0.8~0.9%濃度の塩分を振りかけています。
④レバーは圧倒的に鶏レバーが使いやすいです。医学的に証明できているわけではないですが、犬に心臓疾患が多いのは動物性蛋白不足と考えています。心臓は筋肉の塊なので、高齢件でも十分な蛋白が必要だと思います。
⑤カロリー計算は、ウォルサム(のちにロイヤルカナンに吸収されました)という会社が紹介した計算式があるのですが、ここでの紹介が大変なので、ドックフードに記載されている体重あたりのカロリーを参考にしてください。私の飼い犬は運動量が少ないので、かなり少ない量のカロリーを維持しないと、すぐに太ってしまします。お肉と野菜だけでも犬は容易く太ります。
頑張ってください。
アミール動物病院 (火曜日, 19 1月 2021 19:26)
補足
肝油(ナチュラルピュアオイル)が苦手な子なら、レバー給餌で十分です。
レバーも苦手な子には料理で勝負しています。美味しく調理したら食べてくれますよ。
Chichan (水曜日, 27 1月 2021 00:06)
穴井先生
とてもわかりやすくご説明ありがとうございました。
手作り食のイメージが全く持てず、ネットで手作り食の冷凍パウチになったものをお試しで購入してみました。
形状も味付けもなんとなくイメージつきました。
カミカミ期のベビーフードの感じかなぁ、という感じかなぁと思いましが、あってるでしょうか?
トッピングでそれぞれのワンコに試食させてみたところ、たべもよく、下痢もなかったので、いよいよ頑張って手作り食作り、取り組んで見ようと思ってます。
自分がレバー苦手なので、レバーを調理するのにハードルの高さを感じますが....頑張ります
1点質問です
ベナゼハート服薬中のワンズにもお肉とかレバーの制限無しで食べさせても良いですか?
アミール動物病院 (水曜日, 27 1月 2021 18:27)
Chichan 様
ベナゼハートはプロドラッグといって腸から吸収された後、肝臓で加水分解されてから効果を発揮する薬です。肝機能が低下している場合は薬効が弱くなりますが、特に食事の影響はありません。
薬の中には食事に影響される薬(薬効が阻害される薬)もあるとされていますが、実際、犬猫で影響を受けた経験はありません。あくまでも理屈の上、机上の空論と認識しています。消化管で薬と食べ物に含まれている成分が結合する確率は相当低いと考えています。また、食べ物が薬効を増強するケースもありますが、それはあくまで嗜好品の場合なので、動物では意識しなくても構いません。
手作り食、頑張ってください。
Chichan (金曜日, 29 1月 2021 14:22)
穴井先生
質問、疑問に即答、ご対応してくださり
不安なく、ワンズとの暮らしが送れることに
感謝の言葉しかりません
手作り食のベースは、鶏ささ身と、鶏レバーにしてお野菜で栄養補助とかさ増しをしていこうとおもいます。今から、カロリー計算と食材の栄養素を調べ、お野菜の組合わせを考えてみます。
本当にありごとうございます。
ところで、先生の新たなホームページは既に立ち上がりましたでしょうか?
検索してみたのですが、見つかりませんでした。
Chichan (金曜日, 29 1月 2021 15:51)
確認不足でした
新たなホームページ
2月からですね 楽しみにしています
今までのブログが拝読できなくなるとのこと
急いでコピーさせていただきます