随分長くブログをお休みさせていただきました。
ホームページのリニューアルを行うはずだったのですが、なかなか思うように進まず今日に至ってしまった次第。有言実行は難しい。
先日の台風が過ぎ去ると、朝晩が一段と寒くなり、いよいよ冬の到来を感じるようになりました。
寒くなると、私の常備薬は「葛根湯」です。
獣医といっても、仕事の大半はしゃべること。風邪をひいたら仕事になりません。
ここで葛根湯を服用する時の注意事項を記載します。
葛根湯には麻黄が含まれています。麻黄の主成分はエフェドリンと呼ばれる成分です。
(エフェドリンは明治時代に長井長義によって発見され、その功績を称え商品名は「ナガヰ」です)
エフェドリンはアドレナリン作動性の気管支拡張作用や鎮咳作用があるとされていますが、実際、ワンちゃんに投薬してその効果を実感したことはありません。はっきり言って効きません。
それでも、エフェドリンはとても大切な院内の常備薬です。
何に使用するかと言うと、麻酔中の血圧低下時に使用する昇圧剤としての特効薬なのです。
この効果は、人体薬の添付文書の薬効薬理欄にも麻酔中の犬を用いた実験結果として記載されています。
つまりエフェドリンには覚醒作用があるため、就寝前に葛根湯を服用すると目が冴えて眠れなくなるかもしれないので、服用時間にはくれぐれもご注意ください。
しかし、この覚醒作用を利用して、冬場の試験勉強で睡魔と闘っている学生さんには、風邪予防も兼ね備えた眠気防止薬として重宝するかもしれませんね。
ブログ再開そうそう、硬い話になってしまいましたので、最後に身近な小話を。
風邪の予防と言えば、「うがい」が真っ先に思い浮かぶのではないでしょうか。
この「うがい」に関して、2005年に京都大学から報告された「うがいの臨床試験」を紹介します。
実験の参加者をくじ引きで「うがいをしない群」「ポビドンヨードでうがいする群」「水でうがいする群」に振り分けて風邪予防効果を検証しました。その結果、風邪をひきにくかったのは「水でうがいする群」だったのです。
ちなみに「うがいをしない群」と「ポビドンヨードでうがいする群」ではほとんど差がなっかたようです。
うがいは水道水で十分かもしれませんね。
コメントをお書きください
ねね (金曜日, 17 10月 2014 23:23)
先日はニャンコ二匹、お世話になりました。
子猫の方はおかげさまですぐによくなりました。
なんとかバクターも家族のだれにも感染しませんでしたので
よかったです(*^^*)。
うがいの件、不思議ですね。。。
うがい薬の味でえずきそうになるので、水だけですることにします。
葛根湯は我が家でも常備しています。
寝る前に飲むことが多かったかも、、、気をつけます。
肩こりにいいとお医者様に勧められたので
ツムラの葛根湯エキス1をぬるま湯に溶かして飲むのですが
これもまたえずきそうな味で苦手です。
なので、本葛の葛湯におろし生姜とシナモンを入れて飲むと
体も温まっていい感じで、しかも美味しい。(*^^*)
西森 (火曜日, 21 10月 2014 16:13)
先生、看護師の皆さま
10月16日から4日間預かっていただいた西森プチの母です。
この度もうちのお転婆娘が大変お世話になりました。 m(__)m
お陰様でそちらでの美味しい食事と、飲ませていただいたお薬が効いたようで、連れて帰った翌日、片手では収まらないほどのそれはそれは見事なウンチが出ました(笑)
すみません、勝手にこの場をお借りしてご報告させていただきます。
本当にありがとうございました。
今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
これからますます冷え込んできますが、どうぞご自愛下さいね。
ameal-ahp (木曜日, 23 10月 2014 23:00)
ねね 様
いつもコメントありがとうございます。
葛湯に生姜はあいますね。シナモンを入れたことはなかったです。
情報、ありがとうございます。
西森 様
ご丁寧にお礼やご報告をいただき、恐れ入ります。
プチちゃんは二足歩行が得意のようですね。
院内ではスタッフ全員に愛想を振りまいていましたよ。