脳と栄養の関係 その2

痴呆を患ったワンちゃんのオーナーさんに、痴呆の進行を遅らせる食事ってありますか?という質問を受けました。 

 

最近は、ワンちゃんの痴呆も増えてきているように感じます。

 

平均寿命がのびてきたため、増えているように感じるだけでしょうか。

 

脳内で記憶をつかさどる神経伝達物質は、人の研究ではアセチルコリンであると報告されています。

 

ワンちゃんの記憶も同様だとすれば、脳内でアセチルコリンを増やす栄養を摂れば脳の老化を防ぐことが出来るかもしれません。

 

今回は、脳を活性化させる栄養ついて紹介します。

 

 

古い話になりますが、今から20年以上も前に、ある栄養素が脳の働きを良くするというのでアメリカで大流行が起きました。そして、その余波が日本にも伝わってきたのです。

 

その栄養素とは「大豆レシチン」です。記憶にあるかたもいらっしゃるのではないでしょうか。

 

具体的には、大豆レシチンの主要成分であるホスファチジルコリンが有効というものでした。

 

再び、脳の栄養に関して話をする上で、 血液・脳関門の復習をしておきます。

 

脳の代表的な神経伝達物質は、モノアミン系神経伝達物質と呼ばれているアドレナリンやドーパミン、セロトニンなどや、今回話をするアセチルコリンなどです。

 

これらの物質は、すべて糖やアミノ酸などの栄養素から脳内で作られます。外から、例えば注射薬として上記の神経伝達物質を投与しても血液・脳関門にある酵素の働きで、ことごとく分解されてしまいます。

 

そのため、アセチルコリンが脳の働きを良くするからといって脳の外から与えても、脳に届く前に分解されて、脳内には入っていかないのです。

 

では、話を大豆レシチンことホスファチジルコリンに話を戻しましょう。

 

ホスファチジルコリンを摂取する(食べる)と、消化管内でコリンに分解して吸収され、血液中のコリン濃度が増加します。

 

血液・脳関門には脳内にコリンを取り込むための専用のシャトルバスのようなものが存在します。血液中に増加したコリンは、このシャトルバスに乗り込み、脳内に届けられるのです。

 

(因みに脳の栄養になるブドウ糖も専用のシャトルバスがあり、脳内に送られていくのです)

 

次に、脳内に取り込まれたコリンは、ブドウ糖から作られたアセチルCoA(活性酢酸)と共にアセチルコリンに合成されるのです。

 

こうして脳内にアセチルコリンが増え、脳の働きを良くして、記憶力をアップさせたり、痴呆や老化を予防するというのです。

 

老人性痴呆の改善にホスファチジルコリンは有効という論文も多数あるので、ワンちゃんの痴呆予防に大豆レシチン(ホスファチジルコリン)は有効かもしれません。

 

大豆レシチンは、文字通り大豆に含まれている栄養素で脂質の一種です。味噌や納豆、豆乳に多く含まれます。

 

昔は、ご飯に味噌汁を混ぜた食事が、ワンちゃんに与えられていました。その頃は、痴呆のワンちゃんは多かったのか気になるところです。

 

 

余談ですが、レシチンには、ホスファチジルコリンの他にホスファチジルセリンがあります。

これら2つの成分は、別名、抗脂肪肝因子とも呼ばれています。

 

私もお酒の飲み過ぎで、脂肪肝が気になるところ。

 

そのため、脂肪肝予防に納豆を食べる頻度が増えている今日このごろです(^^;)

 

 

 

 

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コメント: 2
  • #1

    トクヒサ (日曜日, 12 5月 2013 11:34)

    前回、今回と大変勉強になるお話しをありがとうございました。

    蜂蜜を入れた牛乳、人、わんこ共々さっそく実行しております。


    セロトニンは、太陽にあたることでも増えると聞きました。
    体内時計が狂うと脳にも影響があることでしょうから、(というか、脳そのものが体内時計で全身に影響を及ぼすのでしょうが)
    早寝、早起き、早朝の散歩で太陽をいっぱい浴びることにも心がけたいと思います。
    そして、毎朝の味噌汁。お豆腐料理をいっぱい作る・・・

    「犬にも味噌がいいのでは」というのは、前の獣医さんにも教えてもらったことがあります。
    先日亡くなったうちの子には手作りご飯を食べさせていましたが、どこまで栄養的に整った食事を与えられていたか、反省するところが多々あります。

    先生のお話は、人間の食事にもおおいに参考になります。

    ありがとうございました。

    (同級生との再交流、良かったですね。)

  • #2

    にしもと (月曜日, 13 5月 2013 23:09)

    またまた為になりました。

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