皮脂と皮膚炎に関して

今日は昨日の続きで、皮脂と皮膚の常在菌に関して書かしていただきます。

 

皮脂というのは皮膚のバリア機能の他に皮膚の常在菌をコントロールしています。常在菌に皮脂を分解させて、そこから作られる代謝産物でブドウ球菌等の病原性細菌が増えないように調整しているのです。その皮脂の中で常在菌を増やす働きがあるものは、飽和脂肪酸のパルミチン酸やステアリン酸、不飽和脂肪酸のオレイン酸、そしてグリセリンです。逆に常在菌が増え過ぎるのを抑える働きがあるのが、昨日紹介した不飽和脂肪酸のリノール酸などです。動物の皮膚炎でよく耳にする常在菌はマラセチアでしょうか。マラセチアはマラセチアリパーゼと言われる皮脂分解酵素を持っていて、オレイン酸を分解して炎症作用を持つ遊離脂肪酸を作りだし、皮膚炎症状を悪化させます。皮脂と皮膚炎の間には、切っても切れない関係があるのです。そんな皮脂をコントロールできれば、薬に頼らなくても皮膚炎症状を抑えることは可能なのです。当院でも慢性的な皮膚炎を患っている方に、「ドックフードをやめて手作りフードに変えると皮膚炎が治ることがあります」と言うのは手作りフードで皮脂をコントロールしましょうということなのです。

 

皮脂の分泌が多い症状を脂漏症といいます。身体を触ると脂で手がベタベタします。そのため、脂漏症は脂の取り過ぎが原因だと勘違いしている方が多いのではないでしょうか?

 

皮脂を代表する脂肪酸には大きく分けると2つのグループに分かれます。一つが飽和脂肪酸で、もう一つが不飽和脂肪酸です。どちらも同じ脂肪酸だと思われますか?実際に試してみると、その違いは歴然です。不飽和脂肪酸である植物油を1滴手に垂らして刷り込んでください。そして、少し時間をあけて触ってみてください。ベタベタしますか?意外にしっとりしているように感じませんか? これが飽和脂肪酸の牛脂やラードなでは、いつまでもヌルヌル感がとれず、時間が経つと酸化してべたつきます。脂漏症のワンちゃんの皮膚がベタベタしているのは、皮脂の中に飽和脂肪酸が多いからなのです。つまり、脂肪を摂り過ぎているから脂漏症になっているのではなく、不飽和脂肪酸が不足しているから脂漏症になっているというのが私や一部の専門医の考えです。実際にお食事だけで皮膚病が改善した症例も経験しています。脂肪もバランスが大切で、飽和脂肪酸の摂取を減らし、不飽和脂肪酸の摂取を増やすことで皮脂のバランスを調整することが脂漏症を改善する方法の一つだと考えています。

 

栄養の話をすると毎回出てくるのがバランスという言葉です。脂肪もバランスが大事なのです。

 

 

余談ですが、脂肪酸の栄養が見直されたころ、不飽和脂肪酸のダイエット効果というものが多くの栄養関連雑誌の誌面をにぎわせました。燃焼効果が違うのか、飽和脂肪酸より不飽和脂肪酸の方が太りにくいようです。その中で、今でも記憶にあるのは、同じカロリー摂取で比較した場合、アーモンドを多く摂取するグループの方がダイエット効果があったというものでした。つまり、アーモンドに含まれる不飽和脂肪酸は太りにくいとの考察で、その報告を目にしてからは、お酒の友にナッツ類を選ぶ傾向があります。アーモンドは太らないからとの言訳で、よく食していますが、今ではメタボ外来まであと一歩のところまで来てしましました。

 

 

 

コメントをお書きください

コメント: 1
  • #1

    囲碁んご (水曜日, 30 12月 2015 18:44)

    油を全然摂らなくても皮脂がベタベタするのは、炭水化物が飽和脂肪酸に変換されているからですかね。。。

臨時休診のお知らせ

現在、予定はありません

 

 

 

 

動物看護師の募集

来春(2018年4月)より働いていただく動物看護師を募集しています。

詳細はトップページに記載。