殺菌力を持つ不飽和脂肪酸

本日、被毛がバサバサのワンちゃんが来院されました。皮脂の分泌が悪そうなので、お食事の内容を伺ったところ、極端な脂肪カットを行っているようでした。脂肪も大切な栄養素です。少ないほどヘルシーというわけではありません。皮膚にも痒みがあるようで、湿疹が出ていました。

 

今は情報が氾濫し過ぎて、何かと極端に走る方が時々見受けられます。そこで、今日は不飽和脂肪酸に関して少しだけコメントさせていただきます。

 

不飽和脂肪酸についての説明は省きますが、植物油に多く含まれているのが不飽和脂肪酸です。不飽和脂肪酸には、オリーブ油に多く含まれるオレイン酸や紅花油に多く含まれるリノール酸、亜麻仁油に多く含まれるリノレン酸などがあります。この中で、アレルギーとの関連で、とかくリノール酸が悪者のように嫌われる傾向があり、手作り食をされている方々の中には植物油の使用を避けている方もいるようです。因みに、オリーブ油と紅花油だと、どちらを使われますか? オリーブ油ですか?

 

オリーブ油に多いオレイン酸は皮膚の常在菌を増やす傾向があります。とくにマラセチアという酵母菌にとっては栄養素になるのかオレイン酸が多すぎるとマラセチア症を悪化させます。それに比べて、リノール酸には殺菌効果があり、特にブドウ球菌の繁殖を抑える働きがあります。これらは、外用剤としての作用についてですが、食事として摂取した不飽和脂肪酸が皮脂として分泌される可能性は高いと考え、食用としても偏りのない使用を勧めています。そういった点では、バランスのいい植物油は亜麻仁油かもしれませんが、こちらは高価なうえ酸化しやすいのが難点ですね。不飽和脂肪酸は必須脂肪酸でもあります。減らしすぎにはご注意ください。

 

 

 

 

話は変わりますが、「土佐のオナガドリ」って何ですか?と高知大生に聞かれてしまいました。「えっ!、知らないの?」と心の中で驚いてしまいました。町を歩いていても目にするオナガドリという活字。これって何だろうという関心を持たないものなのでしょうか。唐突ですが、今日はオナガドリについても記載します。 

 

 土佐のオナガドリは高知県南国市生まれの鶏で、世界で最も長い尾羽を持つ鳥です。大正12年に天然記念物に指定された時は、鳥の名称を「長尾鶏(ちょうびけい)」と名付けられましたが、昭和27年に国の特別天然記念物に指定された時に名称を「土佐のオナガドリ」とカタカナを使った名前に改められました。

 普通、鶏は成鳥になると年に1回羽が抜けかわりますが、オナガドリの雄の中には尾羽だけ抜けずに伸び続ける個体がいます。しかし、昔から長い尾羽を持っていたわけではありません。尾羽の長さは江戸時代で1メートル程だったと言われています。それが、オナガドリを愛する飼育者の努力により、明治に4メートル、昭和に入り8メートルと次第に長い尾羽を持つオナガドリを育てあげてきたのです。このようなオナガドリも絶滅の危機があったのが昭和の戦時中です。敗戦後は、オナガドリの雄3羽、♀8羽の再出発になったようですが、なんとか数を増やすことができ、現在に至っているようです。しかし、オナガドリの飼育には大変な苦労とお金がかかるため、飼育を行う後継者が不足しているのも現状です。

 

 土佐のオナガドリは高知が生み守り続けた貴重な文化遺産なので、記憶の片隅にでも留めておいてくださいと願うばかりです。

 

(写真は、南国市のオナガドリセンターで飼われているオナガドリです)

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コメント: 1
  • #1

    徳弘直子 (金曜日, 14 9月 2012 00:13)

    先生のブログは、いつも色々と勉強になります。
    ペコの御飯は、朝はご飯ではなくパスタ類で、夜は白米です。
    なので、朝食のパスタには必ず少しですがオリーブ油を使います。
    夜は亜麻仁油とエゴマ油のどちらかを使いますが、夜の方は必ずではありません。
    亜麻仁もエゴマも開封して1か月で使い切るように170gの小さい瓶にしています。
    紅花油は使ったことがありません。
    ペコは湿疹もよく出るし、度々マラセチア症にもなります。
    という事は、毎朝のオリーブ油を少し控えて、亜麻仁とエゴマを増やした方が良いと言う事ですね。
    それで暫く様子を見てみます。

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