ミネラルを摂ろう 「マグネシウム」

世界で愛されているミネラルウォーター「エビアン」、このドリンクのラベルに「ミネラル グッドバランス」と書かれているのは、ご存知ですか? これは、飲料水中にカルシウムとマグネシウムが適切な比率で溶け込んでいるからです。この比率は、カルシウム:マグネシウムが、おおよそ3:1になっているのです。 これが、グッドバランスと呼ばれるようになった理由について紹介していきます。

 

 

 

 

戦後、日本の死因のトップは脳卒中だったようです。当時、アメリカやイギリスなどに比べても4倍以上の死亡率だったようで、日本人は脳卒中になりやすい人種と考えられていました。

ところが、国内でも地域によって脳卒中の死亡率に違いがあることが確認されました。秋田県では全国平均の約3倍あり、沖縄では全国平均の約1/3倍と大きな開きがあったのです。このような違いは何によるものなのか調べて報告したのが、小林教授だったのです。およそ15年に及ぶ研究成果を「河川の化学的性質の地域差と脳卒中による死亡率との関係」という論文にまとめ、1957年に発表しました。この論文で、脳卒中の死亡率を左右する要因は、人種や遺伝、気候、ビタミン不足などでは無く、その地域の河川に含まれる炭酸カルシウムの量にあることを指摘しました。つまり水の硬度の影響が強いと考えられたのです。

この論文が発表されると、欧米の研究者は強い関心を寄せたようです。その後、数々の追試が行われました。追試とは、その論文の内容が正しいかどうかを各国の研究者が自国で調べてみることです。その結果、水の硬度は脳卒中ばかりでなく、虚血性心疾患の死亡率も下げることが分かってきました。

ミネラルウォーターとは、その名の通り、様々なミネラルが含まれています。次は、硬水に含まれているどんな成分が有効なのか、徹底的に調べられました。その結果、カルシウムには、脳卒中や心疾患を予防する働きは無く、マグネシウムにその効果があることが判明したのです。

小林教授は水の硬度としてカルシウムに目を向けましたが、実際は水の硬度に含まれていたマグネシウムに疾病予防効果があったのですが、欧米ではこの発見の先駆けとなった小林教授の論文が高く評価されたのです。

 

そして生化学的にマグネシウムと心臓疾患の関連を証明したのが、アメリカの研究者であったアルツーラ博士でした。この先生のもとで研究をしていたのが、私が大学時代所属していた研究室の教授だったので、私もマグネシウムと心臓疾患に関する研究をすることになったのです。私が5回生だった時、このアルツーラ博士を日本に招いて大規模な学会を自分たちの研究室が取り仕切って行いました。直接、アルツーラ博士にお会い出来る機会を得られたのは光栄でした。ご高齢でしたが、精悍なマスクで、すごく優しい笑顔をされていたのが、今でも印象深く記憶に残っています。

他大学の多くの医学部の先生方から「どうやってアルツーラ博士を日本に招くことができたのか?」と聞かれましたが、当時学生だった私には、それが凄いことなどとは思いもよらないことでした。地方の国立大学で農学部の教授という立場でありながら、世界的な医学会の権威を呼び寄せたのだから驚くのは当たり前で、あらためて、自分の研究室の教授も凄い方なんだと思い知らされました。

 

余談が入ってしまいましたが、カルシウムとマグネシウムはお互いに拮抗する関係にあります。どちらが多すぎても少なすぎてもバランスを崩して、細胞レベルでは様々な影響がでてしまうのです。多くの方はカルシウムに関して良いイメージを持たれていると思いますが、細胞レべルで見ると、カルシウムは細胞毒そのものなのです。

 

話が長くなりすぎて、エビアンに記載せれている「ミネラル グッドバランス」と呼ばれる理由について記載出来なかったので、次回に紹介させていただきます。

 

 

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コメント: 2
  • #1

    久保淑子 (土曜日, 16 5月 2015 04:11)

    穴井直博先生

    記事を拝見させていただきました。
    ミネラルと、潰瘍性大腸炎、食、エネルギーワークについて調べているところです。
    カルシウムとミネラルについて学ぶことができ、感謝しています。
    これからのご健闘とご活躍、こころよりお祈り申し上げます。

    吉日

    久保淑子

  • #2

    穴井直博 (土曜日, 16 5月 2015 21:25)

    古い記事ですが、お役にたてて光栄です。
    ご丁寧にコメントいただき、ありがとうございました。

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