本日、あるワンちゃんの便から待望の乳酸桿菌を分離することができました。
これまで便を持ってきていただいた方々には大変感謝しております。結果の報告が十分出来ていないことには申し訳なく思っております。引き続き、検査は実施しますので、お構いなければ何度でも検査に参加していただけたら幸いです。一度や二度の検査で検出されなくても、三回目や四回目で検出されることもありますので、よろしくお願いします。
今回、乳酸菌を分離したワンちゃんは若齢のころから手作りフードを与え続けられていたそうです。やはり食生活が影響するのでしょうか。今後は、乳酸桿菌のDNAを調べて種類の同定や性質の分析に入ります。これらの結果が出揃うには1カ月程かかりますが、どんな菌なのか今から楽しみです。
繰り返しになりますが、ワンちゃんの便中に乳酸桿菌がいるかどうかの検査を続けております。診察でなくても、便だけお持ちいただても大歓迎ですので、少しでも関心がありましたら、検査にご参加いただけたら幸いです。
コメントをお書きください
木村 香 (日曜日, 18 11月 2012 01:02)
アミール動物病院様、はじめまして。
我が家は6匹の猫一家なのですが、健康のために腸内環境を整えてあげたいなぁと思っているのですが
先生のブログで、野生のライオン、トラなどから発見されました乳酸菌は同じ猫科でも
キャットフードを食している家猫には乳酸菌は存在しないのでしょうか?
人用の添加物の入っていない、プロバイオティクスのサプリメントを
ほんの少量与えてみるのは猫にとって害になりますでしょうか?
どうか、アドバイスを頂きたくてよろしくお願いいたします。
ameal-ahp (日曜日, 18 11月 2012 18:05)
木村様へ
乳酸菌は大きく分けると2種類あります。棒状の形をした乳酸桿菌と丸い形の乳酸球菌です。
乳酸菌を与える目的が便通を良くするためなら、生育の早い乳酸球菌が向いていると思います。また、免疫力を上げたいのなら乳酸桿菌が向いています。乳酸桿菌の場合、菌体成分にも免疫力を上げる効果が報告されているので、たとえ胃酸で死んでしまっても効果が期待できます。
これら2種類の乳酸菌が含まれている食品は、ヨーグルトです。猫は比較的ヨーグルトの嗜好性が高いので、木村家の猫ちゃんも食べてくれるのではないでしょうか。
乳酸菌のサプリメントを与えてみるもの構いません。害にはなりません。
乳酸菌は自然界にどこにでも存在します。けれども加熱処理されるペットフードには存在しないため、ペットフードしか食べていない動物では乳酸菌の検出率は年齢が増すにつれて低くなっています。
今年、ペットショップの幼い動物たちの乳酸保有状況を調べたら、どの子たちも乳酸菌の保有状況は高かったです。少しの便の中に大量の乳酸菌が検出されたのです。その後、乳酸菌の検出率が下がってしまうのは、食べものの影響が強いと思われます。
まずは、人が食べているプレーンタイプのヨーグルトを与えてみてはいかがでしょうか。
木村 香 (日曜日, 18 11月 2012 23:39)
お返事頂きましてありがとうございます。
乳酸桿菌と乳酸球菌があるのですね。早速調べてみます。
ヨーグルトも少しずつ与えてみようと思います。
生まれて間もない子たちは、乳酸菌保有高いのが興味深いです。
お母さんのお腹の中で栄養をもらって、乳酸菌が増えるのでしょうか。
色々と教えて頂きまして、ありがとうございます。
私は大阪なのですが、近くにアミール様のような動物病院があればいいのに・・・
なんて本当に思いました。
またブログの方で、勉強させて下さい。
ameal-ahp (月曜日, 19 11月 2012 16:00)
木村様へ
乳酸菌によるプロバイオティクスの研究は高知大学農学部応用微生物学研究室にて行っております。私どもの研究成果は大学のホームページにて発信できるように学生たちの尻を叩いておきます。
新生児の腸管に乳酸菌が多かったのは意外でした。多い要因は母乳の影響だと思われます。
当院のホームページでもプロバイオティクスの更新を行っていきたいと思いますが、何分、多忙で更新がおろそかになりがちです。
興味がありましたら、また、ホームページにアクセスしてください。
猫ちゃんにはヨーグルトをカレースプーン1杯、食後に与えてもらうようにしています。食後に与えるのは、歯石予防にも一役かってくれることを期待してのことです。木村家の猫ちゃんたちも嗜好性が良ければいいですね。