獣医さんのお仕事 -検疫-

検疫けんえき)とは、港湾や空港にて、海外から持ち込まれた、もしくは海外へ持ち出す動物・植物・食品などが、病原体や有害物質に汚染されていないかどうかを確認すること(ウィキペディアより)。

 

このような検疫の仕事には行政獣医師が携わっています。私の同級生も、いわゆる農林水産省のキャリアーとして検疫業務を行っていて、以前は行政の不満を彼にぶつけていました。行政獣医師には国の機関で仕事をされている方や都道府県や市の保健所や食肉検査場などで仕事をされている方もいます。

 

獣医師の中には、このように検査のスペシャリストとして仕事をされている方々がいます。動物園にやってくる野生動物たちは国の検疫を受けません。フリーパスで動物園にやってきます。そのため、動物園で働く獣医師は各園館で検疫業務を行っているのです。すなわち動物園獣医師も検査のスペシャリストなのです。

 

私が動物園に入社した当初は細菌検査に四苦八苦していました。獣医師国家試験に合格しても細菌検査を行う知識も技術も不十分だったからです。野生動物は様々な病原菌を保有しています。これらの病原菌を見落としてしまうと、飼育員や来園者が感染の危険にさらされるのです。当時は本当に知識と技術の習得に必死でした。

 

細菌の次はウイルスです。2年前、宮崎県で流行した口蹄疫を覚えていますか?これはウイルスが引き起こす病気です。ウイルス検査の多くは抗体検査が主流ですが、これでは様々なウイルスに対応することができません。このようなウイルスの検出に役立つのが遺伝子検査でなのです。遺伝子検査は私が大学に在籍中はほとんど学ぶ機会はありませんでした。そのため、独学で勉強し、大学へ自費で社会人入学して技術を習得し、動物園に遺伝子検査という新しい分野を導入しました。最初に早期発見、早期診断に役立ったのは鳥マラリアという寄生虫疾患でしたが、遺伝子検査の凄さを実感した症例でした。前にブログで紹介したウミガメのウイルス疾患も遺伝子検査で確定診断することができました。今では、遺伝子検査は日常的に行われているといっても過言でないほど普及しました。なのに私が動物園を退職した後は、遺伝子検査機器が活用されていないと聞き、税金で購入したものを無駄にしてはダメだと動物園の新米獣医師に小言ばかり言ってます。

 

野生動物の遺伝子検査を始めたころ、全国の動物園ではまだ遺伝子検査は普及していませんでした。そんな折に、広島の警察署から園長あてに電話相談が入ったそうです。内容は体毛から動物を特定してもらえないかというものでした。詳しい内容を知らないのは、園長に依頼を断られてしまったからです。動物園が市民に貢献できる機会は少ないものです。存在感を示す良い機会になったかもしれないので、検査を請け負ってみたかった事例でした。このような依頼がきたのは、広島の動物園獣医が警察から相談を受け、私を紹介したことで電話が入ったようです。わざわざ県外から相談が入るのはよほど困ってのことと思うと、上司が断ったことに、警察や紹介してくれた先輩獣医師にも申し訳ない気持ちになりました。

 

長々と活字ばかりで面白みは無かったかもしれませんが、獣医師という資格を有すると、衛生検査技師や臨床検査技師という資格も簡単な手続きで取得することができるのです。獣医師は動物診療以外に、様々な場所で検査のプロとして仕事をされているのです。

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