獣医さんのお仕事 -イルカの輸送-

今日は何とかブログを書こうとパソコンに向かっています。このところ、夜間の緊急手術や泊まり込みの看護等でバタバタしておりました。あらためて物事を継続することの難しさを痛感しております。始めたからには続けなくてはなりませんね。

 

今回は以前にも少し触れましたイルカの輸送について紹介します。記録写真は少ないのですが、今回は和歌山から高知へイルカの♀2頭を運んだ時のことのを紹介します。

 

イルカの輸送で必要な物は、特性の担架とコンテナです。イルカは一生水中で生活する動物です。そのため、長時間は陸上で自分の体を支え切れないのです。そこで、イルカを担架で吊り下げたような状態で、海水の入ったコンテナに1頭ずつ収容します。コンテナの中には海水を約1/3程入れ、イルカが少し浮いた状態にして運びます。 

また、イルカは体重約200kgです。イルカを運ぶにはクレーンやフォークリフトも必要になります。イルカの積み込みや積み下ろしにも多くの人が作業することになるのです。

 

和歌山ではイルカの積み込み時に私も作業に加わっていたので記録写真がありません。すみません。

 

イルカ輸送のスタートはイルカを担架に乗せることから始まります。現地では慣れたダイバーがいとも簡単に泳いでいるイルカを水中で担架で包みました。次は水中からイルカを担架ごとクレーンで吊り上げる時に暴れないように鎮静剤を注射します。これが私の最初の仕事です。イルカの様子を確認して、クレーンで海水中から担架ごと釣り上げるタイミングを指示します。慎重にイルカを担架ごとコンテナに収容し、そのコンテナをトラックに積み込むのですが、話だけでは伝わらないので、この逆の作業を桂浜で行っているので、その時の様子を写真で紹介します。

 

 

下の写真は、イルカを担架ごとコンテナに収容し、トラックで運んでいる時の様子です。コンテナ中の海水温度はイルカの体温で上昇するため、車内温度は16℃以下に設定し、時折、海水中に氷を入れながら水温が上がらないように管理します。また、イルカの皮膚は乾燥に弱いため、背びれには濡れたタオルをかぶせ、絶え間なく海水を皮膚に掛け続けます。トラックで水の入った水槽を運んでいるようなものなので、トラックがブレーキをかけると、コンテナ内の海水は前後に大きく揺れ、その海水がイルカの気管にあたる噴気孔に入らないように頭を持ち上げたりと、輸送中は片時も目が離せません。トラックで移動中、外の景色も見えないので車酔いするスタッフもいました。

写真は高速道路を移動中、思わぬトラックのブレーキによりコンテナ内の海水が大きく揺れた時のものです。 予定では取材の記者が1名同行することになっていましたが、当日同行出来なくなったため、急遽、記録係までお願されてしまいました。

 

 

 

早朝に和歌山を出発し、桂浜には午後5時ころ到着しました。桂浜水族館内には大型トラックで乗り入れられないので、小型トラックにイルカのみ積み込みます。

 

まず駐車場に着いたらコンテナ内の海水を抜きます。次にフォークリフトでコンテナを下し、最後は担架ごとイルカを小型トラックに積み込みます。

 

 

 

 

積み込みが終わればトラックをイルカプール横まで乗り入れて、クレーンで担架ごとプールまで運び入れます。イルカは輸送中身体の自由が利かず自らの体重の影響で身体がしびれているため、自分で泳げる状態に回復するまではスタッフがプール内で溺れないように身体を支え続けます。

2頭のイルカが無事に泳ぎ始めたら私の仕事も終わりです。

 

道中、1頭のイルカが体調を崩し、同行スタッフの助けを借りながら静脈注射を繰り返していました。こんな時のために熟練したスタッフの同行は欠かせません。優秀なスタッフのお陰で、無事にイルカを運ぶことができました。

 

桂浜に着いてからは、私の仕事はほとんど無かったので、取材に来ていたマスコミにつかまり、イルカについて質問攻めにあっていました。体調を崩したイルカのことを輸送中からトラックの運転手も気にしてくれて、体調が回復するまで館内で様子をみていました。その折は本当にお世話になりました。今も2頭は桂浜で元気にしております。

 

こうしてイルカ輸送の長旅は終了しましたが、疲れは翌日まで続きました(T_T)

精神的な疲れが大きかったように感じます。 

 

以上、イルカの輸送でした。 

 

臨時休診のお知らせ

現在、予定はありません

 

 

 

 

動物看護師の募集

来春(2018年4月)より働いていただく動物看護師を募集しています。

詳細はトップページに記載。