バベシア・ギブソニの遺伝子検査

バベシア・ギブソニ バベシア・ギブソニ

血液サンプルから遺伝子診断を行う感染症としてバベシア症を紹介します。

 

犬のバベシア症とは、バベシアと呼ばれる原虫によって引き起こされる溶血性疾患です。類似の病気として人や鳥ではマラリアという病気があります。どちらも原虫と呼ばれる小さな生き物が赤血球に寄生して、それらが増殖する過程において赤血球を破壊するため溶血を起こす疾患です。そのバベシアと呼ばれる原虫を媒介するのがマダニなのです。まずはダニ予防をしっかりすることでバベシアの感染を防ぐことが出来ます。マダニにはくれぐれもご注意を。

 

このよに赤血球に寄生するバベシア原虫を顕微鏡で探すのはなかなか大変な作業です。原虫というのもを見慣れた先生方ならそれほど難しいものではないかもしれませんが、いろいろな原虫を診てきた私としても診断に迷う血液像は多々あります。そんなバベシアの診断として非常に有効なのが遺伝子検査です。写真はPCRと呼ばれる手法によってバベシア原虫の一部の遺伝子を増幅したものです。バベシアの遺伝子が増幅されたということは、その血液サンプルに原虫がいることを証明したことになるのです。

 

写真の説明

左側に複数バンドがあるのはマーカーと呼ばれるのもで、増幅された遺伝子がどのくらいのサイズなのかをしるためのものです。矢印のところに3つ同じようなバンドが並んでいますが、それがバベシア遺伝子です。ここでは、遺伝子検査の詳細は省かせていただきました。難しい検査では無いのですが、手間がかかるのが欠点かもしれません。

オウム類嘴羽毛病(PBFD)の遺伝子検査

PBFD PBFD

ウイルス検査ではインコやヨウムに感染するオウム類嘴羽毛病(PBFD)を紹介します。

 

これはヨウムの血液中から検出したPBFDと呼ばれるウイルスの遺伝子を増幅したものです。非常に感度が高く、あまりに大量に遺伝子が増幅されていたため、異様に太いバンドが検出されたのがこの写真です。PBFDに感染すると大量のウイルスが血液中に存在することが分かりました。ただ、このウイルスが血漿中に存在するのか、血球中に存在するのかは把握できていません。因みに検査に用いた血液量は10マイクロリットルです。目薬1滴がおよそ25~50マイクロリットルですから、目薬1滴にも満たない量の血液で十分検査が可能なのです。身体の小さなセキセイインコでも検査が可能なのが、この遺伝子検査の最大のメリットではないでしょうか。

私のDNA抽出方法

以前と比べて、最近はDNA抽出方法が画期的に進化し、短時間で高純度の染色体DNAが抽出できるようになりました。しかし、検査費用を安くするため低コストを重視すると、やはり従来通りのDNA抽出方法で行うことになり、多くのステップを踏みながら慎重にDNAの抽出を行っています。そのマニュアルをご紹介します。

今回は鳥類の雌雄判別を行うにあたってDNAを抽出しましたので、その作業を紹介します。

使用している試薬は、プロメガ社のWizardシリーズで Genomic DNA Purification Kit というのを使用しています。

血液10μlを1.5ml遠心チューブに入れて溶血させることから始めます。血液量がこんなに少なくていいのは、鳥類の赤血球には核があるためです。写真を使って紹介しますが、細かい手順は下記のWebページを参照ください。

http://www.promega.co.jp/jp/jp_tech/wiz_application_blood.html#3ml

 

血液からDNAを抽出する時は、最初に赤血球中に含まれているヘモグロビンの除去から始まります。哺乳類の赤血球は簡単に溶血するのですが、鳥類や爬虫類の赤血球は丈夫なのか少し手間取ります。後はマニュアル通りに進めていくと最終的にDNAが抽出されます。

DNA抽出に必要な道具としてその他に遠心機やインキュベーターなどがありますが、くどくなるので紹介から省きました。

次回は、電気泳動について触れたいと思います。

診察時間変更のお知らせ

5月26日(土)、27日(日)

歯の健康相談のため、ペットステップ薊野店へ出向きますので、診察時間を変更します。

 

5月26日(土)

 午前 9:30~12:00  

 午後 5:00~8:00

 

5月27日(日)

 午前 9:30~12:00  

 午後 5:00~8:00

検査希望者の募集

ワンちゃんネコちゃんの腸内にどんな乳酸菌(善玉菌)がいるかを調べる検査を高知大学と共同で始めています。必要なものは新鮮な糞便で、検査費用は無料です。多くのオーナー様が参加していただけますよう、よろしくお願いします。