多血小板血漿(Platelet Rich Plasma:PRP)は1998年にMarxらにより歯科領域において初めて下顎骨再建術に臨床応用されました。彼は骨再生および骨増大を目的に腸骨と併用移植し、その結果有意に高い骨成熟度と骨面積率を報告すると、この治療法が世界中に広がり、今では血小板の持つ様々な効果が報告されています。獣医領域で臨床利用される目的は組織再生効果にあります。組織の再生には、幹細胞や細胞増殖の足場となるマトリックス、そして成長因子等の要素が不可欠です。PRPには幹細胞が働きやすくする要素がすべて含まれていると考えられています。PRPの効果を発揮させるには、その血漿をゲル化する必要があります。ゲル化することで血小板に含まれる様々なサイトカインを引き出すことができ、骨再生や皮膚の再生等に臨床利用されています。
下の写真はPRPゲルの作製の様子です。血液を採取し、まず低速で遠心します。そうすると血液中からほぼすべての血小板を含んだ血漿を分離することが出来ます。その血漿にカルシウムを添加したのが次の写真です。撹拌すると少しずつ凝固していく様子が観察されます。最後の写真は、ゲル化したPRPです。この状態で使用します。