小型犬の嗜好性はヒトに近いというのが私の経験的感想です。特に幼児の嗜好性に近いものを感じます。
私にとって「ご褒美」とは、犬をしつける上で必要なアイテムだと考えています。
手作りフードとして、まずは主食ではなく、ご褒美としてのメニューから紹介していきます。
最初に紹介するご褒美食は、焼き豚です。豚肉はドックフードの材料としては馴染みの無い素材です。それゆえアレルギーも起こしにくく、アレルギーを持つワンちゃんにも比較的安心して食べさせることができます。
材料:豚肉(200~400g)、生姜(絞り汁) 調味料:お酒100ml、りんご酢60ml、醤油40ml、還元麦芽糖(シュガーカット)30g
鍋にお酒を入れ、軽く熱します。そこへりんご酢、醤油、オリゴ糖を入れ、再び熱します。最後に生姜の絞り汁をいれますが、私は少し辛く感じるくらい加えます。豚肉、調味料をフリーザーバックに入れ、冷蔵庫で2~3日寝かせます(写真2枚目)。その後、まず表面を軽く焼き(写真3枚目)、そしてオーブンで30分ほど過熱します。写真4枚目と5枚目は加熱後の写真です。最後にタウリン、L-カルニチンを添加して出来上がりです。保存は真空パックにして冷蔵庫へ。
今のところ、お口のうるさいワンちゃんでも嗜好性は良好です。私もお酒のつまみにダイエット食として食べています。試食を希望される時はご連絡ください。普段の診察でもご褒美として良く使っています。食べた感想は?「優しい味がする」。これは前の動物病院での看護師の感想でした。
りんご酢:りんご酢には豊富なミネラルが含まれるので、体内の酵素の働きを高め代謝を良くしてくれます。また、りんご酢にはペクチンが含まれおり、これが腸内の環境を整え、腸の蠕動運動を高めてくれます。疲労回復にも効果があるので、私は好んでりんご酢を使っています。
還元麦芽糖(シュガーカット):これはオリゴ糖の一種で、ヒトではダイエット効果としてカロリー80%カットとされています。しかし、犬では一部のオリゴ糖(キシリトール)を分解吸収することができるので、このオリゴ糖が吸収されないかどうかは分かりませんが、ここでは糖の持つ浸水効果を利用するために使いました。私たちが食べる焼き豚の材料を見て頂くと、様々な糖が使われているのが分かります。糖を加えることで、ハムのような柔らかい食感を作りだすことができるのです。オリゴ糖を加える量は、ワンちゃんが好む硬さで調整されることをお勧めします。
醤油:あえて加える必要は無いかもしれません。ただ、人も美味しいものを食べると精神的にリフレッシュされるといわれています。動物も様々なストレスにさらされているので、今回は美味しさを求めてみました。動物だって美味しいものを食べた効果は人と同じだと思います。塩分を気にされているオーナー様は多いと思います。犬は汗腺が発達していないので塩分は控えるべきと書かれている本も多いです。はたして本当ですか?いろいろな論文を探してみましたが、それを裏付ける報告は見当たりません。点滴で使う生食やリンゲル液は舐めると結構塩辛いです。入院治療では24時間点滴で入れても、血中ナトリウムが上がった経験はありません。十分な水分を与えることで、過剰な塩分は尿として排泄されると考えます。塩分が気になる時は水分を取らせましょう。
生姜:生姜には殺菌作用があり保存中に菌が増えるのを予防するためと豚肉の独特な臭みを消すために使用しています。また、生姜を加熱することで胃酸の分泌を促し、消化を良くする働きも報告されています。生姜と言えばジンゲロールですが、ワンちゃんにも血行を良くし、代謝を高める効果が報告されています。
猫の食餌に関して相談を受けたので、今回、猫の手作りフードについて記載します。
猫は肉食動物です。理想の食事は「生肉」です。近年は動物にも健康志向が高まり、生肉食を勧める動物栄養士が増えてきたように感じます。
ただ、猫は「保守的?」、適切な表現かどうかは別にして、口にしたことのない食べ物はなかなかスムーズに食べてくれません。キャットフードに慣れた子ほど、手作り食の移行には時間を要すると思われます。手を変え品を変え、根気よく与え続けてみてください。
生肉って、大丈夫なの? そのように思うオーナーさんは少ないないと思います。動物園のネコ科動物や猛禽類など、与える食事は生肉です。生肉を与えて病気にさせた経験はありません。豚肉を除いて、鶏肉、牛肉、馬肉など、鮮度だけ注意して与えてください。猫もきっと大喜びするはずです。
下の写真は避妊手術で抜糸まで預かったネコちゃんです。なかなか人慣れしない子でしたが、生肉は大好きな子でした。生肉だけではビタミン・ミネラルが不足するので、ビール酵母の粉末やカルシウム、タウリンなどをまぶして与えています。